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論文

Processing of JENDL-5 photonuclear sublibrary

今野 力

JAEA-Conf 2023-001, p.143 - 146, 2024/02

MCNP6.2, PHITS3.27で使うことができる光核サブライブラリのACEファイルを作成できるようにNJOY2016.67を修正し、JENDL-5の光核サブライブラリのACEファイルを作成した。作成したライブラリを使って簡単なテスト計算を行い、作成したライブラリに問題がないことを確認した。

論文

Simulated performance evaluation of d-Be compact fast neutron source

中山 梓介

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(12), p.1447 - 1453, 2023/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

d+Be中性子源は、橋やトンネルなどのインフラ設備のオンサイト非破壊検査のための可搬型中性子源の候補である。PHITSおよびJENDL-5を用いたモンテカルロ粒子輸送シミュレーションにより、d+Be中性子源の可搬型高速中性子源への適用性を検討した。シミュレーションの結果、遮へい体の厚さを約1.5倍にすることで、現在可搬型中性子源の有力な候補とされているビームエネルギー2.5MeVのp+Li中性子源と同等の性能を持つd+Be中性子源を、より低いビームエネルギーで実現できることを示した。

論文

A Terrestrial SER Estimation Methodology Based on Simulation Coupled With One-Time Neutron Irradiation Testing

安部 晋一郎; 橋本 昌宜*; Liao, W.*; 加藤 貴志*; 浅井 弘彰*; 新保 健一*; 松山 英也*; 佐藤 達彦; 小林 和淑*; 渡辺 幸信*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 70(8, Part 1), p.1652 - 1657, 2023/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Engineering, Electrical & Electronic)

中性子を起因とする半導体デバイスのシングルイベントアップセット(SEU: Single Event Upset)は、地上にある電子機器の動作の信頼性に関係する問題となる。白色中性子ビームを用いた加速器試験では、現実的な環境の中性子起因ソフトエラー率(SER: Soft Error rate)を測定できるが、世界的にも白色中性子ビームを供給できる施設の数は少ない。ここで、多様な中性子源に適用可能な単一線源照射を地上におけるSER評価に適用できる場合、ビームタイムの欠乏を解消できる。本研究では、これまでに得られた測定結果のうち任意の1つを抽出し、これとPHITSシミュレーションで得たSEU断面積を用いた地上環境におけるSERの評価の可能性を調査した。その結果、提案する推定法で得られたSERは、最悪の場合でも従来のWeibull関数を用いた評価値と2.7倍以内で一致することを明らかにした。また、SER評価におけるシミュレーションコストを低減する簡易化の影響も明らかにした。

論文

Development of correction method for sample density effect on PGA

前田 亮; 瀬川 麻里子; 藤 暢輔; 遠藤 駿典; 中村 詔司; 木村 敦

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 332(8), p.2995 - 2999, 2023/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Analytical)

The accuracy of the prompt $$gamma$$-ray analysis is known to degrade for the samples containing neutron-scattering materials, such as hydrogen, depending on its content. Recently, we discovered that the density of the scattering materials also affects the accuracy. In this paper, we developed a correction method for the effect of the sample densities. The developed correction method is straightforward and applicable to samples with unknown densities. The simulation and experiments verified the performance of the correction method. The results confirmed that the correction method could reduce the uncertainty due to sample density from 47% to approximately 1%.

論文

重粒子線治療の全身被ばく線量評価システムRT-PHITS for CIRTの開発

古田 琢哉

Isotope News, (787), p.20 - 23, 2023/06

炭素線治療は従来の放射線治療よりも腫瘍部への線量が集中する優位性を持つが、正常組織での二次的ながんの発生原因となり得る照射を完全に無くすことは困難である。現状の線量評価では治療効果と周辺重要臓器の急性障害の回避を目的に治療部位近傍に限定した評価が行われており、2次発がんなどの副作用に影響する低線量の領域まで評価が行われていない。そこで、重粒子線治療の計画データを基に、重粒子ビーム照射体系を再構築し、PHITSによって、2次粒子の挙動も含めて重粒子線治療を正確に再現するシステムRT-PHITS for CIRTを開発した。このシステムを用いることで、過去に実施された重粒子線治療の患者全身における線量評価が可能で、評価結果を治療後の2次がん発生等の疫学データと組み合わせることで、放射線治療後の副作用と被ばく線量の相関関係を明らかにすることができる。

論文

環境放射線と半導体デバイスのソフトエラー; 環境放射線起因ソフトエラーのシミュレーション

安部 晋一郎

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 65(5), p.326 - 330, 2023/05

電子機器の信頼性問題として、地上に降り注ぐ二次宇宙線の中性子やミューオンによって生じる電子機器の一時的な誤動作(ソフトエラー)がある。高い信頼性が求められる電子機器の数は社会の進歩とともに増えており、これらすべての機器のソフトエラー発生率(SER: Soft Error Rate)を実測的な方法で評価することは難しい。また機器の製造前の段階でSERを評価することも求められており、シミュレーションによるSER評価の重要性が高まっている。原子力学会誌の解説記事において、放射線挙動解析コードPHITSを用いたソフトエラーシミュレーション技術の研究開発や、ソフトエラー発生の物理過程の詳細解析結果について紹介する。

論文

Measurement of 107-MeV proton-induced double-differential thick target neutron yields for Fe, Pb, and Bi using a fixed-field alternating gradient accelerator at Kyoto University

岩元 大樹; 中野 敬太; 明午 伸一郎; 佐藤 大樹; 岩元 洋介; 杉原 健太; 西尾 勝久; 石 禎浩*; 上杉 智教*; 栗山 靖敏*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(4), p.435 - 449, 2023/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:68.71(Nuclear Science & Technology)

加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発及び京都大学臨界実験装置(KUCA)におけるADS未臨界炉物理の基礎研究を目的として、固定磁場強収束(FFAG)加速器を用いて107MeV陽子による鉄、鉛及びビスマス標的に対する二重微分中性子収量(TTNY)を測定した。TTNYは8個の中性子検出器(各検出器は小型のNE213液体有機シンチレータと光電子増倍管より構成される)からなる中性子検出器システムを用いて飛行時間法により得られたものである。測定で得られたTTNYを、粒子・重イオン輸送コードシステム(PHITS)に組み込まれたモンテカルロ法に基づく核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JQMD/GEM, JQMD/SMM/GEM)及び評価済み高エネルギー核データライブラリ(JENDL-4.0/HE)による計算結果と比較した。JENDL-4.0/HEを含む比較対象のモデルは、検出器角度5度における高エネルギーピークを再現しないなどの特徴的な不一致が見られた。測定で得られたTTNYとPHITSによって評価した20MeV以下のエネルギー及び角度積分中性子収率を比較した結果、INCL4.6/GEMがKUCAにおけるADS炉物理実験のモンテカルロ輸送シミュレーションに適していることが示された。

報告書

無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発(委託研究); 令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 海上・港湾・航空技術研究所*

JAEA-Review 2022-070, 70 Pages, 2023/03

JAEA-Review-2022-070.pdf:5.27MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英共同研究体制の下、耐放射線性を持ちつつ中性子検出効率を向上させた中性子検出器と、強力な切削能と収集能を持ったエンドエフェクタ並びにマニピュレータを融合させた燃料デブリサンプリング装置を開発し、それらを無人航走体へ搭載させた燃料デブリサンプリングシステムを構築することを目指すものである。さらに、システム位置を同定する測位システムと、光学カメラ、ソナー、今回開発する中性子検出器の計数情報を仮想現実システムへ投影させる技術を開発し、遠隔操作技術の向上に貢献する技術開発を行う。

論文

Photon dose rate distribution inside and outside a brachytherapy room

Sabri, A. H. A.*; Tajudin, S. M.*; Aziz, M. Z. A.*; 古田 琢哉

Radiological Physics and Technology, 16(1), p.109 - 117, 2023/03

イリジウム192線源による密封小線源治療室の空間線量分布を粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて計算した。コンクリート壁と鉛ドアで構成される治療室の体系をマレーシアサインズ大学の高度医療歯科研究所に実在する治療室を模擬する形で再現し、熱ルミネッセンス線量計による実測値と比較することで、シミュレーション結果の精度を確認した。シミュレーション結果によると、3mm厚の鉛板を入口横の壁に追加することで、入口の横側の壁から抜けてくる光子による治療室外の線量を効果的に下げられることがわかった。また、線源をコバルト60に置き換えたシミュレーションも実施し、現状の治療室の設計では、室外の線量値の規制値を満たすことができないことを明らかにした。

報告書

ガンマ線画像スペクトル分光法による高放射線場環境の画像化による定量的放射能分布解析法(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 京都大学*

JAEA-Review 2022-027, 85 Pages, 2022/11

JAEA-Review-2022-027.pdf:5.72MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「ガンマ線画像スペクトル分光法による高放射線場環境の画像化による定量的放射能分布解析法」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究では、ガンマ線イメージング装置であるETCCを1F廃炉事業での使用可能な可搬型装置でかつ高線量環境下で動作可能なように改良し、廃炉の現場に導入できるようにした。ETCCは世界初の光学カメラと同じ全単射撮像が可能なガンマ線カメラである。そのためETCCは一般的な定量的画像解析法を放射線にも適用可能とすることが可能で、1Fの廃炉に係る解決すべき6つの重点課題に革新的進展をもたらす。例えば廃炉工事で発生する汚染の飛散を3次元ガンマ線イメージングによりオンラインで検知、さらに拡散の動的な検知から精度の高い拡散予想を可能にする。それを実証するため令和元年に、1F敷地内1㎞四方を一度に画像モニタリングし、同時に100か所以上のスペクトル観測を実現し、今まで不明だったスカイシャインガンマ線スペクトル及び分布の計測に成功した。さらに京都大学複合原子力科学研究所原子炉建屋内の3次元線量計測を実施、微量なAr41の大気拡散を3次元の動画撮像に成功。廃炉を超え一般の原子炉での高精度な放射線3次元画像モニタリング及び放射能拡散予想システムが実現できることを示す画期的な成果が得られた。

論文

Development of PHITSPlugin for Radiation Behavior Calculation

鈴木 健太; 八代 大*; 川端 邦明

Proceedings of International Topical Workshop on Fukushima Decommissioning Research (FDR2022) (Internet), 4 Pages, 2022/10

This paper describes a development of PHITSPlugin for the radiation behavior calculation. The developed plugin calculates a dose distribution in conjunction with Choreonoid which is a physical simulator. It was developed to contribute to estimate an integral radiation dose on the robots. We discuss a procedure for calculating the dose distribution. Also, we demonstrate to calculate the dose distribution by utilizing experimental examples.

論文

Measurement of nuclide production cross sections for proton-induced reactions on $$^{rm nat}$$Ni and $$^{rm nat}$$Zr at 0.4, 1.3, 2.2, and 3.0 GeV

竹下 隼人*; 明午 伸一郎; 松田 洋樹*; 岩元 大樹; 中野 敬太; 渡辺 幸信*; 前川 藤夫

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 527, p.17 - 27, 2022/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:53.91(Instruments & Instrumentation)

加速器駆動核変換システム(ADS)等における核設計の高度化のため、NiとZrについて数GeVエネルギー領域における陽子入射の核種生成断面積測定を行い、核設計に用いる計算コードPHITSによる計算値やJENDL/HE-2007等との比較検討を行った。

論文

Development of the DICOM-based Monte Carlo dose reconstruction system for a retrospective study on the secondary cancer risk in carbon ion radiotherapy

古田 琢哉; 古場 裕介*; 橋本 慎太郎; Chang, W.*; 米内 俊祐*; 松本 真之介*; 石川 諒尚*; 佐藤 達彦

Physics in Medicine & Biology, 67(14), p.145002_1 - 145002_15, 2022/07

 被引用回数:2 パーセンタイル:47.19(Engineering, Biomedical)

炭素線治療は従来の放射線治療よりも腫瘍部への線量集中性に関する優位性を持つが、二次的ながんの発生原因となり得る正常組織への照射を完全に無くすことは困難である。そのため、発がんリスクを照射炭素ビームの核反応によって生成される二次粒子による線量まで含めて評価するには、計算シミュレーション解析が有効となる。本研究では、PHITSコードを中核とした炭素線治療の線量再構築システムを開発した。このシステムでは、治療計画を記録したDICOMデータから自動でPHITSの入力ファイルを作成し、PHITSシミュレーションの実行によって腫瘍および周辺正常組織での線量分布を計算する。PHITSの様々な機能を利用することで、粒子毎の線量寄与や二次粒子の発生場所の特定など、詳細な解析が実施可能である。開発したシステムの妥当性は、水中での線量分布の実験結果や人体等価ファントムへの治療計画との比較により確認した。今後、本システムは量子科学技術研究開発機構において、過去の治療データを用いたシミュレーション解析による遡及的研究に利用される予定である。

論文

Absolute quantification of $$^{137}$$Cs activity in spent nuclear fuel with calculated detector response function

佐藤 駿介*; 名内 泰志*; 早川 岳人*; 木村 康彦; 鹿島 陽夫*; 二上 和広*; 須山 賢也

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(6), p.615 - 623, 2022/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

使用済燃料中の$$^{137}$$Cs放射能を非破壊で評価する新しい方法を提案し、燃焼度クレジット導入における物理的測定について実験的に実証した。$$^{137}$$Cs放射能は、$$^{137}$$Cs放射能がよく知られている参照燃料を用いずに、$$gamma$$線測定と数値検出器応答シミュレーションを用いて定量された。燃料サンプルは、商業用加圧水型炉(PWR)で53GWd/tまで照射された先行使用集合体(LUA)から取得した。試料から放出された$$gamma$$線は、ホットセルに取り付けたコリメータを通して、ゲルマニウム酸ビスマス(BGO)シンチレーション検出器を用いて測定された。検出器による$$gamma$$線の検出効率は、測定ジオメトリを考慮して粒子輸送計算コードPHITSを用いて計算した。試料に対する検出器応答のより正確なシミュレーションのために、試料中の$$^{134}$$Cs, $$^{137}$$Cs, $$^{154}$$Euの相対放射能を高純度ゲルマニウム(HPGe)検出器で測定した。検出器の絶対効率は、別のジオメトリの標準ガンマ線源を測定することにより校正された。測定された計数率と検出効率を用いて、燃料試料中の$$^{137}$$Cs放射能を定量した。定量された$$^{137}$$Cs放射能は、MVP-BURN燃焼計算コードで推定された$$^{137}$$Cs放射能とよく一致した。

論文

Estimated isotopic compositions of Yb in enriched $$^{176}$$Yb for producing $$^{177}$$Lu with high radionuclide purity by $$^{176}$$Yb($$d,x$$)$$^{177}$$Lu

永井 泰樹*; 川端 方子*; 橋本 慎太郎; 塚田 和明; 橋本 和幸*; 本石 章司*; 佐伯 秀也*; 本村 新*; 湊 太志; 伊藤 正俊*

Journal of the Physical Society of Japan, 91(4), p.044201_1 - 044201_10, 2022/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:46.35(Physics, Multidisciplinary)

近年、神経内分泌腫瘍を治療するための医療用RIとして$$^{177}$$Luが注目されており、加速器施設で重陽子を濃縮$$^{176}$$Yb試料に照射し、高純度の$$^{177}$$Luを製造する方法が検討されている。ただし、Yb試料には様々な同位体が微量に含まれており、$$^{177}$$Lu以外のLu同位体が不純物として生成される。医療用として利用する$$^{177}$$Luは一定の純度が求められるため、定量的にLuの不純物を評価する手法が求められていた。本研究では、実験値を基に関与する全てのYb($$d,x$$)Lu反応の断面積を決定し、粒子輸送計算コードPHITSと組み合わせることで、Yb試料が任意の組成比をもつ場合の各Lu同位体の生成量を推定する新しい手法を開発した。他に、天然組成のYb試料へ25MeV重陽子を照射した実験も行い、本手法の有効性を検証した。また、市販の濃縮$$^{176}$$Yb試料に照射した条件で計算を行い、重陽子のエネルギーを15MeVとすることで、純度99%以上の$$^{177}$$Lu生成を達成できることを示した。開発した手法は、加速器を用いて高純度の医療用$$^{177}$$Luを製造する際、必要な濃縮Yb試料の同位体組成を議論する上で重要な役割を果たすものである。

論文

Unified description of the fission probability for highly excited nuclei

岩元 大樹

JAEA-Conf 2021-001, p.24 - 29, 2022/03

放射線挙動解析コードPHITSは、加速器駆動核変換システムや核破砕中性子源施設等における放射能・被曝線量評価及び施設の遮蔽設計に重要な役割を演じるが、PHITSの核破砕反応を記述するモデルINCL4.6/GEMは核分裂生成物の収量を大幅に過小評価することが知られており、モデルの高度化が求められている。本研究では、核分裂生成物の収量予測に重要なパラメータとなる「核分裂確率」を現象論的に記述するモデルを提案し、このモデルを粒子輸送計算コードPHITSに組み込まれている脱励起過程計算コードGEMの高エネルギー核分裂モデルに適用した。実験値との比較の結果、広範囲のサブアクチノイド核種に対する陽子入射、中性子入射及び重陽子入射反応に対して、核分裂断面積を統一的に予測でき、その予測精度は従来モデルよりも大幅に改善することを示した。さらに、本モデルを用いた解析により、核分裂生成物の同位体分布を精度よく求めるためには、核内カスケード過程計算コードINCL4.6における高励起残留核の記述の修正が必要であることを明らかにした[1]。これらの研究成果により、日本原子力学会核データ部会賞学術賞を受賞した。本研究会では提案したモデルおよび研究成果内容について報告する。[1] H. Iwamoto and S. Meigo, "Unified description of the fission probability for highly excited nuclei", Journal of Nuclear Science and Technology, 56:2, 160-171 (2019).

論文

Nuclide production cross section of $$^{nat}$$Lu target irradiated with 0.4-, 1.3-, 2.2-, and 3.0-GeV protons

竹下 隼人; 明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 大樹; 中野 敬太; 渡辺 幸信*; 前川 藤夫

JAEA-Conf 2021-001, p.207 - 212, 2022/03

加速器駆動核変換システム(ADS)などの大強度陽子加速器施設の遮蔽設計において、高エネルギー陽子入射による核破砕生成物の核種生成量予測は基礎的かつ重要な役割を担っている。しかしながら、生成量予測シミュレーションで用いられる核反応モデルの予測精度は不十分であり、核反応モデルの改良が必要である。J-PARCセンターでは実験データの拡充と核反応モデル改良を目的に、様々な標的に対して核種生成断面積の測定を行っている。本研究では、$$^{nat}$$Lu標的に対して0.4, 1.3, 2.2および3.0GeV陽子ビームを照射し、放射化法により核種生成断面積データを取得した。取得したデータとモンテカルロ粒子輸送計算コードで用いられる核反応モデルと比較することで、現状の予測精度を把握するとともに核反応モデルの改良点を考察した。

報告書

無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 海上・港湾・航空技術研究所*

JAEA-Review 2021-049, 67 Pages, 2022/01

JAEA-Review-2021-049.pdf:7.54MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英共同研究体制の下、耐放射線性を持ちつつ中性子検出効率を向上させた中性子検出器と、強力な切削能と収集能を持ったエンドエフェクタ並びにマニピュレータを融合させた燃料デブリサンプリング装置を開発し、それらを無人航走体へ搭載させた燃料デブリサンプリングシステムを構築することを目指すものである。さらに、システム位置を同定する測位システムと、光学カメラ、ソナー、今回開発する中性子検出器の計数情報を仮想現実システムへ投影させる技術を開発し、遠隔操作技術の向上に貢献する技術開発を行う。

報告書

加速器駆動システム上部構造の放射線遮蔽解析

岩元 大樹; 明午 伸一郎; 中野 敬太; Yee-Rendon, B.; 方野 量太; 菅原 隆徳; 西原 健司; 佐々 敏信; 前川 藤夫

JAEA-Research 2021-012, 58 Pages, 2022/01

JAEA-Research-2021-012.pdf:7.23MB

加速器駆動システム(ADS)の核破砕標的より上部に位置する構造物の放射線遮蔽解析を実施した。解析では、モンテカルロ粒子輸送計算コードPHITS及び誘導放射能解析コードDCHAINPHITSを用い、1サイクルを300日として、熱出力800MW及びビーム出力30MWの1サイクルフル出力運転を仮定した。解析対象の構造物は、標的の真上に設置されたビームダクト、原子炉容器上部に位置するビーム輸送室及びその室内に設置するビーム輸送機器及び遮蔽体並びに天井遮蔽体とした。それぞれの構造物に対する運転中及び運転後の放射線量及び放射能量を評価し、天井遮蔽体の遮蔽構造を求めた。その結果、本検討で求めた遮蔽構造を用いることで、法令で定められる敷地境界における線量限度を十分に下回る等の知見が得られた。さらに本検討の条件では、運転後における標的真上に位置するビーム輸送室内機器付近の実効線量率は10mSv/hを超え、室内機器の保守及び交換では遠隔での作業が必須となることを示した。

論文

Measurement of nuclide production cross sections for proton-induced reactions on Mn and Co at 1.3, 2.2, and 3.0 GeV

竹下 隼人*; 明午 伸一郎; 松田 洋樹*; 岩元 大樹; 中野 敬太; 渡辺 幸信*; 前川 藤夫

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 511, p.30 - 41, 2022/01

 被引用回数:5 パーセンタイル:65.59(Instruments & Instrumentation)

1.3, 2.2および3.0GeVの陽子入射によるMnおよびCoの核種生成断面積を放射化法によりJ-PARCで測定した。$$^{55}$$Mn(p,X)$$^{38}$$S, $$^{55}$$Mn(p,X)$$^{41}$$Ar、および$$^{59}$$Co(p,X)$$^{38}$$Sの生成断面積を世界で初めて取得した。安定した陽子ビームと確立されたビームモニタにより、系統的不確かさを典型的に5%以下に低減することができ、過去のデータよりも優れたものとなった。核破砕反応モデルと評価済み核データライブラリの予測精度の検証のため、測定データをPHITSの核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JAM/GEM)、INCL++/ABLA07、およびJENDL/HE-2007ライブラリの断面積と比較した。平均二乗偏差係数の比較により、INCL4.6/GEMとJENDL/HE-2007は他のモデルよりも実測データとのよい一致を示すことがわかった。

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